陸前高田での出会いから学ぶ
—2025年度陸前高田プロジェクト体験談
文学部文学科フランス文学専修2年次 藤田 奏さん
2025/11/18
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
岩手県陸前高田市の方々と立教生?海外大学生(スタンフォード大等アメリカの複数の大学?香港大学?シンガポール国立大学)が共に考える正課プログラム「陸前高田プロジェクト」。
2025年度の参加者である藤田さんにお話をうかがいました。
旧気仙中学校
東日本大震災津波伝承館
最終報告会
プログラムテーマは「陸前高田市の歩みから持続可能な都市について学び、地方都市が持続可能な都市となるために自分たちにできることを考えよう — SDGs Goal 11『住み続けられるまちづくりを』の視点から—」。このテーマに対して、「包摂性(inclusive)」「安全性(safe)」「強靭さ(resilient)」「環境の持続可能性(environmentally sustainable)」という4つの観点を足がかりとしながら、フィールドワークで得た学びと自らの住むまちを比較し考察を深めました。
学生インタビュー
藤田 奏 (Fujita Kanade)さん(文学部文学科フランス文学専修2年次)
立教大学陸前高田サテライトでの聴講の様子
参加にあたっては、東日本大震災と現在の復興について知ることを中心として、ほかにもいくつか目標を持っていました。私が個人的に関心を持っていたのは、香港やアメリカから参加する学生は、どうして岩手県の陸前高田市を訪れて直接お話を伺うこのプログラムに参加しようと思ったのかということでした。また、震災から現在まで陸前高田の方々が取り組んでこられた復興について深く知り、自分の地元の防災や非常時の対策につながる学びを得たいと思っていました。
高田松原津波復興祈念公園
聴講の様子
陸前高田の復興とまちづくりの取り組みについて、単に知るだけでなく、その構造を考察したり、それぞれが住む地域に活かすにはどうしたら良いかを考えたりすることで、陸前高田についても、参加者それぞれの住む地域についても、より深く学ぶことができました。また、参加当初に抱いていた関心について、海外からの学生の参加理由は人によって様々でしたが、日本からの学生を含め、ほとんどの参加者がプログラム以前には陸前高田についてあまり詳しく知らなかったこと、震災と陸前高田の現在について真剣に知ろうとしていたことが共通していて、どこから参加していても意外と同じようなスタートラインだったことに気付きました。
長洞元気村
ホームビジット(民家訪問)を受け入れてくださったご夫妻と
このプログラムで得たものの中で、一番自分にとって大きかったのは新たな人とのつながりでした。参加者や、お話を聴かせていただいた方々のほかにも、自分から関わりにいかなければ出会わなかったような人まで、様々な出会いがあり、それぞれから日常生活や今後に活かしていければと思う学びがありました。
また、グループワークなどを通じて、自分の強みや足りない部分についても知ることができました。就活など間近なもの以外にも、様々な場面で活かしていけたらと思います。
最終報告会
地域の若手の方々との交流会
いろいろな人と関わって、様々な経験が得られるとても良い機会だと思います。
テーマや言語など、不安に思うことがあったとしても、不安があればあるなりに、自分だけの貴重な体験が得られると思います。ぜひ参加してみてください。
奇跡の一本松
後書き
プログラムでは陸前高田市内の施設や震災遺構を見学するほか、地元の方々のお話を聴く機会が多く用意されています。他者の声に真剣に耳を傾けようとすればするほど、自分自身の立場が問われていく。こういった内省的な経験は、陸前高田という場に赴くからこそ生まれる貴重な相互作用であると言えます。多様なルーツを持つ参加者同士のコミュニケーションにおいても同じことが起こり、目には見えないけれどダイナミックな発見に富んだ時間が流れています。今回一つの場所に集まり学んだ学生たちが、自身のコミュニティに戻った後も、この経験と共にあることを願っています。
最後に、学生に語りかけ、大きな学びを与えてくださった陸前高田市の皆様、そしてご関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
※本プログラムの詳細、実施報告等はグローバル教育センターホームページをご覧ください。
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